不気味な「心霊写真」を解明する

伝説

不気味な顔が写っている写真、頭や足が消えている写真、その他、常識ではありえない写り方をしている写真の多くは心霊写真である。

それらは地縛霊や浮遊霊などが写ったものだ。心霊写真を撮ってしまったり、持っていたりする者には災いがふりかかることが多い。

そのため心霊写真を撮影した場合には、霊能力者や宗教施設などに相談し、お祓いをしてもらうのが最善の方法である。

謎解き

このページでは、いわゆる「心霊写真」について、霊以外の原因があるかどうか探り、その解明を行っていきたい。

扱う写真の多くは巷の心霊写真本に掲載されているものだが、一部は当サイトへ解明の依頼があったものや、mixi内にて私が管理人を務めるコミュニティ「『心霊写真』解明コミュ」で初期に扱ったものを含んでいる。

以下での解説は、長くなってしまうため全体のごく一部に絞ってある。このページで解説している事例以外にも解明事例はたくさんあることには留意されたい。なお「オーブ」などについては私も参加しているASIOSの調査ページに解説があるので、そちらもご覧いただきたい。

足が消えている心霊写真

下は『恐怖写真館 霊の世界をさぐる』(朝日ソノラマ)のP.177と表紙に掲載されている写真。

左足が消えている?

左足が消えている?

【相談者による説明】
アルバムを整理しているときに出てきたもの。かなり前に撮影した写真とのこと。片足が消えているので不気味に思い、鑑定を依頼。

【霊能力者の鑑定】
典型的な背後霊の警告で、近い将来、大病などの災厄が降りかかってくる可能性を警告したものだという。

【謎解き】
この写真は一見すると女性の左足が消えて、右足だけが写っているように見える。ところが、もし写っているのが右足だとすれば不自然なくらいの「がに股」になってしまう。またコートのボタンのラインを見ると、体が向かって右に傾いていることもわかる。

そこで、こうした不自然な点を補正して考え直してみよう。すると写真全体を反時計回りに傾け、女性は両足を重ねるようにして立っていると考えれば不自然さはなくなることがわかる。つまり女性は撮影の際、少し気取った感じで、いわゆる「モデル立ち」をしていた可能性が高い。

再現写真

左は傾きを示した。右は傾きを補正し、足の様子を描いたもの。

右の画像はmixiのコミュニティ参加者の方が描いてくださったイラスト。足をどのようにしているかがわかりやすい。

足が消えている心霊写真・その2

下は、2009年2月3日放送の「ほんとにあった怖い話」(フジテレビ)で紹介された心霊写真。番組では5年間で全国から寄せられた1万5000枚の心霊写真の中から、真の恐怖ランキングを決定するというコーナーがあった。この写真はそのランキングで1位に選ばれたもの。

下半身が消えている?

下半身が消えている?

足下をよく見ると……

足下をよく見ると……

【相談者による説明】
長男家族が旅行先で写真を撮ったところ下半身が消えていたので不気味に思い、鑑定を依頼。

【霊能力者の鑑定】
この土地にゆかりのある地縛霊数十体が男性の下半身を奪って影まで消した。子どもがいなければ上半身まで消えていた可能性がある。

【謎解き】
足下をよく見れば、子どもの足の後ろに男性の足も写っていることが確認できる。男性は腰を90度近く曲げ、前かがみの状態になっているのだ。そうであれば下半身は消えているのではなく、子どもの陰に隠れていることがわかる。下の写真で男性の体のラインを示した。

本当はこうなっている

本当はこうなっている

頭が消えている心霊写真

下は、名古屋テレビの番組「夜だMONDE」で取り上げられた心霊写真。

首から上が消えている

首から上が消えている

この番組では視聴者から送られてきた心霊写真を霊能者に見せて鑑定してもらうのではなく、プロの写真家が解明にあたる「心霊写真の謎を解明」というコーナーがあった。上に掲載している頭が消えてしまった写真は、そのコーナーで取り上げられたもの。

【謎解き】
この心霊写真の解明を担当したのはプロ写真家の楓大介氏。これまでに数多くの心霊写真を解明してきた楓氏は、男性の顔が「シャッタースピードが遅い状態で撮影時に動いてブレたため、背景の白い空の光に消されてしまった」可能性を考えた。

下の画像は、撮影時に体がブレたと思われる証拠。本来、1本だった白いラインが、ブレて2本になっている。

赤い矢印のところ

赤い矢印のところ

下の写真は、同じ場所で楓氏が撮影した再現写真。撮影時に虫などがいて、顔を振って追い払おうとしたのではないかという仮定のもと(実際、現場の土手には虫が飛んでいた)、被写体の男性には撮影のときに顔を動かしてもらった。すると見事に同じ写真が再現できた。

背景が白いと消えやすい

背景が白いと消えやすい

ブレるとその部分は薄く写る。そこに今回の背景のような強く明るい白色があると、その明るさによってブレた被写体は消されてしまう。下の写真は私がカメラのシャッタースピードを遅くして撮影したもの。このように白っぽい背景の前で動くと透けたり消えたりしやすい。

再現写真

真っ白でなくてもこのとおり。撮影時に手を動かしただけで透ける。

頭が消えている心霊写真・その2

下は、2004年4月3日と2009年2月3日に放送された「ほんとにあった怖い話」(フジテレビ)の番組内で、恐怖ランキングの2位と3位に選ばれた心霊写真。

頭が消えている?

頭が消えている?

【相談者による説明】
滝の前で撮ったところ首から上が消えていた。これ以来、不運なことが何度かあったので気になって鑑定を依頼。

【霊能力者の鑑定】
頭が写っていないのは極めて悪質な悪霊の仕業。滝の近くで自殺した女性の悪霊が乗り移ろうとしている瞬間をとらえている。首から先はあちらの世界に行ってしまっているため、お祓いと写真のお焚き上げ供養が必要。

鑑定結果

な……なんだってーー!!

【謎解き】
よく見ると白いシャツと後頭部の一部がわずかに写っていることが確認できる。さらにこの写真は、手すりの部分と滝の部分、さらに左側の岩場をよく見れば、通常より左に傾けられていることがわかる。

傾きを補正した写真

時計回りに10度傾けて補正した写真

上の写真は傾きを補正したもの。だいぶ自然になった。番組で写真を傾けて紹介したのは、そちらの方が不気味に見えるからだと思われる。しかし本来はこのように前傾姿勢だったはずだ。

おそらく被写体の人物は撮影時、手すりに手をついて川を見ようと下を向いてしまったのだろう。そのため頭が体の陰に隠れてあたかも消えたように見えたのだと考えられる。下の写真は私が同じ姿勢で実際に再現したもの。

再現写真

再現写真。番組の写真のように左に傾けてある。

不気味な手が写っている心霊写真

下は、『恐怖写真館』(朝日ソノラマ)のP.157に掲載されている写真。

赤丸で囲ったところに手のようなものが見える

赤丸で囲ったところに手のようなものが見える

【相談者による説明】
京都の清水寺で撮影されたもの。4人の真ん中に不気味な手が写っていて、どう処分したらいいのかわからず鑑定を依頼。

【霊能力者の鑑定】
中央に写っている手よりも、右から2番目の女性の左手の指が6本に見えることのほうが意味があるという。背後霊が健康面の警告をしているらしい。

【謎解き】
指が増えているように見えるのは、指の関節の影が原因である。一方、相談者が不気味がっている中央の手については、左から2番目の女性の左手だと考えられる。

隠れているところはこのようになっていると考えられる

隠れているところはこのようになっている

おそらく撮影時、髪型を直そうとするなどした際、手を伸ばしたところを撮られた可能性が高い。手の色が暗いのは、光源である太陽が左上にあるため、頭の影になってしまっていることが原因だと考えられる。上の画像は、コミュニティ参加者の方が描いてくださった分かりやすいイラスト。

不気味な顔が写っている心霊写真

下は、『戦慄!!心霊写真の謎』(学研)の表紙、およびP.20で紹介されている心霊写真。

オレンジ色の幽霊のようなものが写っている

オレンジ色の幽霊のようなものが写っている

【相談者による説明】
1998年にオーストラリアのシドニーコーストのホテル近くの公園で、夜10時頃に撮影。

【霊能者の鑑定】
心霊研究家の龍顕正氏によれば、写真には炎のようなものが形作る母と子の姿が写っていて、この親子は地縛霊だという。

【謎解き】
被写体の女性はポンチョと呼ばれる衣類を着ている。一方で地縛霊とされるものも実は向かって右端をよく見ると、ポンチョの袖らしきものが写っている。また襟元も似ている。そのことから地縛霊とされるものは、被写体の女性本人がぼやけて写っている可能性が高い。

それでは、どうやってこのような写真が撮れてしまったのだろうか。最も考えられるのは多重露出の可能性だ。多重露出とは、1枚の写真に2つ以上の画像が写ることをいう。カメラのトラブルなどで知らない間に撮影されてしまうことがある。

今回の写真の場合、最初はフラッシュが焚かれていない状態での撮影になってしまった可能性が考えられる。周囲にはオレンジ色の街灯があったはずだ。女性はこの街灯の弱い光に照らされた状態で、まずフィルムに写る。

しかし明るさが足りないため非常にブレやすい状態になる。ブレればぼやけて写りやすい。その結果がオレンジ色に照らされたブレてぼやけた幽霊像だ。これが1枚目。

次に撮影されたのは、通常通りフラッシュが焚かれた写真。こちらはフラッシュの強烈な光で十分に明るいためブレることはない。

ところがカメラのトラブルによって多重露出になってしまった。すると1枚目の失敗写真と2枚目の通常写真が重なり、奇妙な心霊写真ができあがる。

再現写真

再現写真

上の写真は、これらを実際に再現した写真。フィルムカメラで撮影したわけではなく、被写体とした人形や布も細かな動きなどができないため、完全に同じというわけにはいかなかった。それでもこのような写真が撮れてしまう。

通常、多重露出やブレの大きい写真は失敗写真になる。けれども失敗写真は心霊写真の生みの親でもある。失敗写真の仕組みを知ることは、心霊写真が撮影される仕組みを知る一助になるはずだ。

不気味な顔が写っている心霊写真・その2

下は、当サイトへ解明を依頼された心霊写真。(携帯で撮影されたものなのでサイズは小さい)

拡大すると助手席に顔のようなものが……

拡大すると助手席に顔のようなものが……

【相談者による説明】
一人で旅をしていたときに自分の車を撮影したところ、助手席に見知らぬ人の顔が写っていた。

【謎解き】
助手席のあたりに見える人の顔のようなものは、冷静によく見てみると、後ろにある車の右側後輪(タイヤ)であることがわかる。

この車の後輪

タイヤのホイールの形が、たまたま人の顔のように見えてしまったようだ。心霊写真を見るときは、一箇所に集中せず、ときには引いて全体を見渡すことも大事である。

奇妙な光が写っている心霊写真

下は当サイトへ解明依頼のあった心霊写真。

奇妙な光の線がいっぱい

奇妙な光の線がいっぱいの心霊写真

【相談者による説明】
東京ディズニーランドで夜のパレードを撮影したところ、縦に伸びる光の線が数多く写っていた。もしこの原因が手ブレなどであれば、人物も縦にブレるはず。しかし、そうなっていないということは何か心霊的な原因があるかもしれないという。

【霊能力者の鑑定】
線のように写っているものは「地縛霊の念のエネルギーが映ったもの」だという。

【謎解き】
相談者によれば、問題の写真は「夜景と人物」モードで撮影されたという。これは別名「スローシンクロ撮影」とも呼ばれるもので、大抵のデジカメに実装されている撮影モードだ。

これを使うとシャッタースピードは遅くなるため、フラッシュを使ったあともしばらくシャッターは開いたままになる。そうすることで夜の少ない光をできるだけ多く取り込み、フラッシュの届かない背景が真っ暗にならずにすむようにしている。

つまりこれは、人物と背景を綺麗にとりたいときに便利な撮影モードといえる。しかしこの撮影モードには弱点もある。シャッターが開いている時間が長いため、その間にカメラや被写体が動くと、ひどくブレた写真が撮れやすくなってしまうのだ。

ここで問題の写真をもう一度ご覧いただきたい。光の線が主に縦に伸びているということは縦方向に手ブレを起こしたということである。通常、背景の明かりが静止していれば光の線はすべて同じ軌道を描く。

縦方向の手ぶれ

しかし今回の写真のように背景の電飾がパレードなどで少し動いていると、光の軌道は手ブレの軌道の他に複数できる。他方で撮影時に人物は動かなければ、ほとんどブレることがない。

これはフラッシュを使っているからである。フラッシュの強い光は、その光が届く範囲にいる手前の人物を一瞬だけとらえ、くっきりとした像を焼き付ける。そのためフラッシュが焚かれたあとに手ブレしても、人物は静止していればほとんどブレて写らない。

再現写真

奇妙な光の線を再現した写真

上の写真は、そういった考察を踏まえた上で同じように再現した写真。背景は街灯などの光が線のようにブレて写っている一方、手前にいる人物はブレていない点にご注目いただきたい。

もし実際にこのような写真が撮れてしまったら、普通はさぞ驚かれると思う。けれども、これも失敗写真のひとつ。仕組みを知れば、怖がることなく面白い写真として楽しめる。

心霊スポットで撮影された心霊写真

こちらも当サイトへ解明の依頼があった心霊写真。

赤い線で囲った箇所に……

赤い線で囲った箇所に……

【相談者による説明】
心霊スポットとして有名な東京競馬場の「魔の第三コーナー」近くの寺院で写真を撮ったところ、門の横に「白い着物を着た女性」が写っていた。周囲は墓地で、不気味な雰囲気が漂っており、この寺院に入ってから常に誰かに見られているように感じたという。

拡大写真

拡大写真。白い着物の女性?

【謎解き】
まず左の黒い服を着た男性の足が透けているのは、撮影時に動いてブレたからである。相談者もこのことは理解しており、問題にはしていない。

相談者が問題にしているのは、赤い四角で囲った箇所。私が最初にこの写真を見たとき、問題の「白い着物を着た女性」は、ただの白い石に見えた。そこで相談者には、現場に石があったのではないかと問い合わせたところ、何もなかったとの返事をいただいた。

けれども心霊写真全般に言えるように、撮影者の記憶というのはあまり当てにならないことが多い。そこで私は直接現場へ行って調べてみることにした。

以下は、問題の心霊写真が撮られた約一週間後に私が現場へ行って撮影してきた写真。

同じ場所にまだあった

同じ場所にまだあった

ご覧のとおり、 私が行ったときも問題の箇所には確かに白いものはあった。ところが、その正体は「白い着物を着た女性」ではなく、やはり「石」(石碑)だった。

近づいて撮った写真

近づいて撮った写真

上の写真は、同じ角度からさらに近づいて撮影した写真。夜にもかかわらず白く写っていたのは、すぐ近くに電灯があったからだということがわかった。下の写真は石の正面から撮影したもの。

正体は石碑だった

正体は石碑だった

この事例のように心霊写真を解明する上では、心霊スポットの撮影現場で「相談者がどのように感じたか」といった感想は、実はあまり役に立たない。

本当に重要なのは、客観的な情報を集め、幽霊だという先入観をなくすこと。そうすれば不気味に見える心霊写真にも、また違った真相が見えてくる。

【参考資料】

  • 大窪南『恐怖写真館 霊の世界をさぐる』(朝日ソノラマ)
  • 「ほんとにあった怖い話」(フジテレビ、2009年2月3日放送)
  • 「夜だMONDE」(名古屋テレビ)
  • 龍顕正『戦慄!! 心霊写真の謎』(学研)
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