メキシコ空軍が発表したUFO事件


伝説 2004年3月5日の夕方、メキシコ・カンペチェ州南部の上空をメキシコ空軍の偵察機が麻薬密売の捜査を行うため飛行していたところ、突然上空に11機のUFO群が出現した。

メキシコ空軍が捉えたUFO偵察機に搭載されていた赤外線カメラには、雲の合間を飛行している11個の物体が捉えられ、同機のパイロットのジャーマン・マリン大尉によれば、うち3個はレーダーにも確認されたという。

このときの心境について、大尉はインタビューで次のように語っている。

「怖かったかって? もちろんです。あの時我々が遭遇したのは全く見たこともない物体でしたから」

当初、メキシコ空軍も問題の飛行物体の正体をつきとめるべく調査をしたが、結局正体はわからなかった。そこで事件の翌月22日に、国防長官のリカルド・ガルシア自ら、地元の有名なUFO研究家であるハイメ・マウサンに会い、協力を依頼。

マウサンはこの事件で撮影された映像はエイリアンクラフトをとらえた可能性が高いと結論すると、5月10日に事件の存在をメディアに知らせ、自身も翌日に記者会見を開いた。

また同じ日、国防総省のスポークスマンも軍用機が確かにビデオを撮影したことを公式に認めていることから、このケースは「メキシコ空軍が公式に認めたUFO事件」として信憑性が高いものになっている。

※実際の映像

 


【写真引用元】
「FLIR_CONCLUSION」 - ALCIONE -
http://www.alcione.org/FAM/FLIR_CONCLUSION.html

 


 

謎解き UFO映像のソースが民間人ではなく、れっきとしたメキシコ空軍だったということは大きな影響を及ぼした。現に、この事件はUFO業界だけでなく、AP通信、CNN、BBC、ロイター、MSNBC、Fox news、USAトゥデー、および日本のニュース番組でも報道され、大きな話題を呼ぶことになった。

ところがあれだけ大騒ぎして事件が紹介されたわりに、その後、謎の飛行物体の正体について報道したマスコミは皆無である。

ということは、結局、正体はわからないままなのだろうか?

いや、そんなことはない。この事件でビデオに収められた謎の飛行物体の正体は、地元メキシコのUFO研究家であるアレハンドロ・フランス大尉によって詳細に調査され、正体は判明しているのである。

 

赤外線センサーが捉えたUFO

フランス大尉の調査を紹介する前に、まず事件当時の状況を詳しく見ておこう。
事件が起こった2004年3月5日の夕方、カンペチェ州南部の上空を飛行していたのはマーリンC-26/A偵察機である。乗っていたのは、機長のマグダレノ・カスタノン少佐、パイロットのジャーマン・マリン大尉、そして赤外線センサーで11機のUFOを捉えることになったマリオ・エイドリアン・ヴァスケス大尉の計3名。

この赤外線センサーは「Star SAFIRE II」と呼ばれるもので、アメリカのオレゴン州ポートランドにある「FLIR Systems」によってつくられた。謎の飛行物体が最初にセンサーに捉えられたのは午後4時50分頃。位置は北緯18度、西経91度のあたりで、高度は3500メートル。

偵察機は、北を0度とした場合、およそ80度の方位で東向きに飛行していた。
そして問題のUFOは、赤外線センサーによれば北西の方角、およそ315度の方位に現れた。(事件当時、月は75度、太陽は260度の方位にあった)

さて事件当時の状況がわかったところで、このUFOの正体を知るため、実際にUFOが目撃された方角へ飛行して調査を行ったフランス大尉に登場してもらおう。
 
彼はメキシコのUFO研究団体「ALCIONE」に所属している肯定派で、エイリアン・クラフトの存在は信じているが、それ以外の可能性を全て除外してからでなくては結論は出せない、という懐疑的なスタンスを取っているUFO研究家である。

自身もパイロットであるフランス大尉は、偵察機の乗組員がUFOに気付いた地点からUFOが目撃された方角へ飛んでみることにした。 謎の物体は、まだそこにいるのではないかと考えたからだ。

メキシコのビル・エルモサを離陸すると、高度3300メートルまで上昇し、ほぼ真東に向かう。そして問題のUFOに気付いた西経91度の地点につくと、針路を赤外線センサーがUFOのいる方角として示していた北西に向け、その方角に進んだ。

すると、シウダー・デル・カルメンの海岸線から約100キロ、偵察機がUFOを最後に目撃した地点からは160キロほど離れたところで問題のUFOの正体と思われるものを発見した。

「カンタレル」という巨大な海底油田の掘削施設である。
このカンタレル油田は1976年に発見されたメキシコ最大の油田で、現在の生産量は一日210万バレル。9個のプラットホームに200以上の井戸が存在しており、高度3300メートルの上空から見ても驚くほどの大きさがある。

このカンタレル油田にある掘削用プラットフォームの一番高いところは40階建てのビルほどの高さがあり、その先端からは油田から出る余分なガスを燃やすために巨大な炎が上がっている。

赤外線センサーに捉えられたUFOの正体とは、この掘削用プラットフォームの先端から上がる巨大な炎の可能性が高いというのだ。

比較写真これは実際に見てもらったほうが早い。
右写真内の中央の小さい画像は、偵察機が2004年3月5日に撮影したUFO映像。
背景の緑の写真は、 フランス大尉が2005年4月14日に撮影したカンタレル油田の写真である。(遠くに見える複数の光点が油田から出る炎)

両方を見比べれば、確かによく似ていることがわかるだろう。

ちなみにフランス大尉はメキシコ湾の領域をよく飛行しており、油井もよく見ていた。そのため、この事件の詳細を聞いたとき正体の見当はついていたそうだ。

「私はメキシコ湾の上を何百回も飛んでいる。あの光は夜間ならほぼ一年中見えますよ。好天で視界が良ければ誰でも見られます。200キロ以上離れた場所でもね」


【写真引用元】
「FLIR_CONCLUSION」 - ALCIONE -
http://www.alcione.org/FAM/FLIR_CONCLUSION.html

 

レーダーが捉えたUFOは?

ここまでは偵察機の赤外線センサーが捉えた映像について紹介してきた。
そこで次は、赤外線センサーとは別の、レーダーに捉えられたUFOについて紹介することにしたい。

この問題のUFOは、パイロットのジャーマン・マリン大尉によれば3機(別の情報では2機)ほどレーダーに現れたそうだが、目視では確認できなかったという。 同時に、カルメン市内にいるレーダー・オペレーターにも連絡されたが、オペレーターには何も見つけられなかった。

この件に関し、記録として残っているのは機内の録音テープのみである。残念ながら航空機のレーダー情報は全く記録されなかったので、私たちはレーダーが何を示したかに関して乗組員の回想に依存しなければならない。

それでもUFOの正体に関して手がかりはつかめる。

UFO研究家のブラッド・スパークスによれば、このレーダーに捉えられたUFOと赤外線センサーに捉えられたUFOは、その数や現れた位置があっておらず、同じものを捉えたのではないという。

偵察機のレーダーに捉えられたUFOは、同機の右前方一時の方角に現れ、19海里(約35キロ)ほど離れていた。 スパークスがその方角を調べると、その場所にはユカタン半島のハイウェイ186があることをつきとめた。

彼によれば、レーダーに捉えられたUFOの正体とは、このハイウェイ186を走行していたトラックの可能性が高いという。 確かに、レーダーに捉えられた物体の速度は毎時60マイル(約 時速100キロ)ほどだったというから、ハイウェイを走るトラックの速度とかなり一致している。

 

雲の間を飛行しているように見えた理由

最後は、赤外線センサーのUFOの話に戻って、このセンサーが捉えた11個の光点が雲の合間を飛行しているように見えた理由について。

上でも書いたとおり、この11個の光点の正体はカンタレルという海底油田の可能性が高い。当然ながらこの油田の掘削施設は海上を高速で動いたりはしない。

ところが偵察機が撮影した赤外線センサーの映像では、光点は雲の合間を移動しているように見える。これは、なぜだろうか?

この疑問に答えてくれるのは、ジム・セフリンという赤外線技術者である。彼は技術者の訓練を担当し、さらに赤外線技術を使って石油精製施設を検査しているベテランの技術者でもある。

セフリンによれば、問題の物体が動いているように見えるのは手前の雲が動いているために起こる目の錯覚だという。

このことは、こちらのページにアクセスすれば簡単に確認することができる。ページ内の「TRY THIS SIMPLE EXPERIMENT!」という赤文字が書かれている箇所の下にある「CLICK HERE」というところをクリックしてみよう。そうすると、雲を隠した状態では問題の光点はまったく動いてないことがわかるはずだ。

最後に、この赤外線映像を分析したセフリンは次のように語っている。

「これはおそらく極めて高温の熱源でしょう。炎と煙かもしれないし、炎だけかもしれない。UFOは信じたいですが、これは証拠になりません」

(記事公開日:2007年1月10日)

【参考資料】