古代に存在した飛行機「コロンビアの黄金ジェット」

伝説

南米コロンビアの首都ボゴタにある黄金博物館には、世界的にも有名な黄金ジェットと呼ばれるオーパーツが展示されている。

黄金ジェット

黄金ジェット(他にスペースシャトルような形状から「黄金シャトル」と呼ばれることもある)

この黄金ジェットはコロンビア北部のシヌー地方産とされ、直径は約5センチ。調査の結果、西暦500~800年頃のプレ・インカ時代につくられたものだと考えられている。

当初は鳥や昆虫を模した装飾品だとみられていたが、動物学者のアイヴァン・サンダーソン博士が鑑定したことで流れが大きく変わる。博士は黄金ジェットに機械的な属性を見て取り、「これは鳥や昆虫を模したものではなく、飛行機をモデルにしたものである」という仮説を考えついたのだ。

その後、博士は、この仮説の信憑性を確かめるため航空力学の専門家に鑑定を依頼。すると複数の専門家から、航空力学の理にかなっているというお墨付きを得た。

そして1969年、『Argosy』誌に「古代南米には飛行機を持った文明が存在した」という記事を発表。黄金ジェットが飛行機を模したものであるという考えを世に知らしめた。

なお1996年には飛行実験も行われている。ドイツのラグンド・エーンホーム博士とペーター・ベルティング空軍士官が黄金ジェットの忠実な模型をつくって実際に飛ばしてみたのだ。

すると結果は見事に成功。黄金ジェットが古代の飛行機をモデルにしたものであることは実証されたのである。


Photo by Samantha Johnson「Ancient Airplanes Sleep With the Fishes」

(http://sites.matrix.msu.edu/pseudoarchaeology/2010/10/12/ancient-airplanes-sleep-with-the-fishes/)

謎解き

このオーパーツはサンダーソンの発表以降、見栄えの良さも相まって根強い人気を保ってきた。オーパーツを扱った本では必ずと言っていいほど写真が掲載されている。ご覧になったことがある方も多いのではないだろうか。

サンダーソンはアメリカの超常現象研究家。ケンブリッジ大学で動物学、地理学、植物学を学ぶ。場違いな加工物を意味する「オーパーツ」という用語の名付け親。

私はその黄金のデザインに魅せられた一人で、オーパーツの中ではクリスタル・スカルに次ぐ見栄えの良さが好きだ。

黄金ジェットのモデル

さて、そんな黄金ジェットであるものの、実は他にも大量に類似品の黄金細工が発見されている。他の黄金細工をよく見てみると、その多くは円味を帯びたボディに特徴的な形をした羽がついており、生物的なデザインがうかがえる。

他の黄金ジェットの例

他の黄金ジェットの例
出典:トワイライト・ゾーン別冊『不思議古代百科』 (KKワールドフォトプレス、1985年)

実は飛行機だといわれているものは、発見された黄金細工全体のごく一部だけである。普通に考えれば、そのごく一部が似ているのは偶然だと解釈するのが自然であるように思われる。

とはいえ、偶然だとしても何かをモデルにはしたはずだ。そのモデルには何が考えられるのだろうか。 これまで候補としてあがっているのは、鳥、昆虫、トビウオ、プレコなどである。

プレコは南米に生息するナマズの一種。正式名称はプレコストムス。独特のヒレを持ち、観賞用の熱帯魚として人気が高い。日本では超常現象研究家の飛鳥昭雄氏が黄金ジェットのモデルとしてプレコ説を最初に提唱したとされる。

鳥や昆虫、魚などであれば、流体力学上、理にかなった形状をしていても不思議はない。航空力学の話もこういった形状に由来していると考えられる。

ちなみに上にあげたものたちはいずれにしても、モデルの忠実な再現にはなっていない。しかし、もともと他の明らかに動物や昆虫のデザインがほどこされた黄金細工であってもそれは同様である。作り手のアレンジや独自のデザインが取り入れられていると考えられるのだ。そのため、細かいデザインに関してあれこれ言うのはあまり意味がないと思われる。

コロンビアに一年ほど在住していたという読者の方から追加情報を教えていただいた。その方によると、現地で実際に黄金ジェットを見た際に、地元の人からモデルのひとつと思われるものを紹介してもらったという。それが黄金ジェットと同じ黄金博物館にあるこちらの金細工。これはコロンビアのサン・アグスティン地方から発掘された羽の生えた神話上の魚である。

模型は忠実な再現?

最後は、1996年に成功したとされる飛行実験について触れておきたい。これは黄金ジェットの忠実な再現模型を使って行われたという。

使用された模型は2種類。ひとつは16:1スケールでつくられたプロペラ機。翼の長さは1メートルで重さは750グラム。「ゴールド・フライヤーⅠ」と名づけられた。

もう一方は寸法は同じで、着陸用のタイヤに加え、ジェットエンジンが新たに搭載された。名前は「ゴールド・フライヤーⅡ」。なかなかかっこいい名前だ。飛行実験は見事に成功したという。

模型をもつ2人

模型を持つエーンホーム(左)とベルティング(中央)。
出典:(http://solarey.net/3000-year-old-hieroglyphics-in-the-temple-of-seti-i-in-abydos/)

ところがこの実験、実は黄金ジェットを忠実に再現したものではなかった。飛びやすくするために、模型の翼の幅を大きくしていたのだ。

さらに胴体部分もスマートに変更されていた。これでは残念ながら黄金ジェットの飛行実験としては意味がない。

とはいえ、この実験はなかなか手間がかかっている。世界にはこういった手間を惜しまずに行動に移す、愛すべきオーパーツファンがいる。それを知ることができたという点では意味があるのかもしれない。

【参考資料】

  • 南山宏『オーパーツの謎』(二見書房、1993年)
  • 並木伸一郎『決定版 超古代文明オーパーツFILE』(学研、2007年)
  • クラウス・ドナ、ラインハルト・ハベック『オーパーツ大全』(学研、2005年)
  • レニ・ノーバーゲン『オーパーツの謎―消えた先史文明』(パシフィカ、1978年)
  • ムー特別編集『世界超文明大百科』(学研、1989年)
  • トワイライト・ゾーン別冊『不思議古代百科』 (KKワールドフォトプレス、1985年)
  • 『X-ZONE』(No.19, デアゴスティーニ)
  • 『ムー』(学研、2005年8月号)
  • 「OOPARTS & ANCIENT HIGH TECHNOLOGY–Evidence of Noah’s Flood?」(http://www.s8int.com/page2.html)
  • Telepolis「TP: Fliegende Amulette」(http://www.heise.de/tp/r4/artikel/12/12442/1.html)
  • Robert Steven Thomas『Intelligent Intervention』(Dog Ear Publishing, 2011)
レクタングル広告(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存

フォローする